2017年11月に岐阜県大垣市でイベント中に大型ドローンが観客頭上に墜落する事件がありました。その事件を受け、2018年1月航空法の改正によりイベント(催し場所)上空で飛行を行う場合に厳しい制限が設けられました。集合写真撮影を行う場合に最も気を付けなければならないポイントは「イベント(催し場所)」に該当するかどうかです。
第3者の進入などを規制できない状態での・・・
「お祭り」「花火大会」「運動会」「マラソン大会」「コンサート」 etc
ソラカメラの場合、イベント(催し場所)でのドローン撮影に該当するか?該当しないか?は案件毎に国土交通省へ照会を行っています。
概ね「第3者の進入の有無」「撮影のためだけに参加者が集合している」などの状況により、イベント(催し場所)撮影に該当するかしないかを判断されます。イベント(催し場所)撮影にあたると判断される場合は下記のような厳しい制限をクリアする必要があり、個別での航空局への飛行申請が必須となります。安全上の人員や機材の配置が必要になったり、事前に申請書などのチェックがあるため、実施までには長い準備期間がかかり、撮影コストも増える場合があります。
飛行高度に応じた立入禁止区画の設定が必要です。
飛行高度(H) | 水平距離(L) |
---|---|
0~20m | 30m |
20~50m | 40m |
50~100m | 60m |
100~150m | 70m |
風速は5m/s以下であること。風速と速度の和が7m/s以下とすること。
以下の場合には上記条件を満たさない場合でも飛行を許可する。
下記のような例は航空局への確認のうえで「イベント(催し場所)空撮にあたらない」と判断されたソラカメラの過去事案です。イベント撮影に該当しない場合は通常の空撮で安全に配慮しながら即時対応は可能です。繰り返しになりますが基本的には国土交通省に案件毎に確認を行い撮影準備を行います。
例えば小学校の人文字空撮に関して言えば、『運動会の1項目として人文字を行い、かつ誰でも学校に見学に入れるような状態であれば、イベント(催し場所)空撮に該当する。』と回答を受けた例もあります。電話ベースでの照会では国土交通省の問い合わせ窓口の方の判断でもちょっとズレがある気が少ししています。ですのでイベントに該当する、該当しないの判断をオペレーター判断で行う事は危険だと思います。必ず国土交通省へ事案を報告して個別照会を行い指示を仰ぐ形が理想的かと思います。
集合写真の場合、数百人単位でドローン撮影のために人が集まるケースもあります。ドローンは風雨などその時の天候によっては飛行ができません。場合によっては急な機材のトラブルなどもあります。ロケハン無しの状態では想定できない現場環境も有ります。万が一、撮影が予定通りに行かない場合、現場に緊張感が走ります。場合によっては「このくらいの風は大丈夫でしょ!!」とイベント主催者からの圧力も加わります。大人数が集まっているので主催者のキモチもわかります。
安全の確保できないドローン飛行は非常に危険で、大人数すぐ隣に居る場合、万が一の墜落時に多大なる影響を及ぼす危険があります。撮り直しが後日出来ない大人数での集合写真は特にドローンオペレーターの安全第一の判断力が求められます。安全に変えられるものはありません。一か八かでのドローン飛行は絶対に危険です。またご依頼主様も「当日100%飛行できるとは限らない」という事をご理解いただければと思います。
テレビ局・一部上場企業・学校・官公庁・各種団体etc さまざまな撮影実務経験があります。