ソラカメラに非常に多くのご相談を頂く店舗撮影。実は大半のご相談がある理由で実施ができない事案となります。相談主様はとてもやる気で予算の問題でもありません。
その理由は、細かい近隣調整が必要という点です。店舗全体をキレイに撮影する場合、店舗より水平距離で10-50m程度離れた上空から撮影する必要があります(店舗規模により最適な水平距離は異なります)。広い店舗駐車場があれば自社の敷地内で撮影が可能ですが、大半は店舗の隣の敷地上空からの撮影がベストなショットとなります。
土地所有者の許可の無い上空をドローンは無断で飛行できません。航空法では高度150m以下の制限があるドローンが飛行する領域に関しては、土地所有者の許可が原則必要と解釈されています。大半の店舗はとても立地条件が良い場所にあり、周辺には住戸・店舗が密集していることから、近隣の土地所有者との調整が非常に複雑になり、撮影はしたいけれども近隣調整が難しいケースが多く、結果ドローン空撮を断念する事案が多いです。
ココで実際の店舗撮影の現場と、調整のプロセスをご紹介したいと思います。右の写真は、福井県の浪漫遊さんという店舗の空撮写真です。福井県でも近隣に高い高層ビルなどがあるエリアでは無いですが、自動車交通の便が良い好立地条件に店舗はあります。
下記の地図が現場の状況の地図です。
外観のデザインや、看板の配置からベストなアングルは北西側からの撮影と判断。1方向からのみでは無く、極力たくさんの角度やアングルの撮影をご希望頂いたため、主な近隣調整ポイントを下記のように実施しました。
こうして撮影されたのはこのような3方向からのアングル写真です。※実際は高度違い写真と動画をその他多数納品しています。
来店のお客様の頭上(真上)をドローンが飛行する事は航空法で禁止されています。営業時間に店舗駐車場内で飛行するのであれば、来店者様の頭上に行かないよう常にコントロールしながら撮影を行う必要があります。
お客様の来店ペースや混み具合にもよりますが、常に来店者の動きを把握しながらドローン飛行する事は非常に困難です。基本的には営業時間外でのドローン撮影対応となります。
状況的に開店前の撮影が難しい場合、来店が少ない時間帯を狙って撮影する場合は、ご依頼主様にも1名立会いいただき、来店者の動きを注意して監視して頂きながらの撮影は可能な場合があります。もしくはあらかじめ駐車場スペース6台分程度をドローンの離発着のために仮囲いで確保頂き、ドローン自体は仮囲いの範囲内で真上にホバリング飛行撮影すれば、第3者がドローン直下に立ち入る事は有りません。いずれにしましても安全に配慮した撮影プランを立てる必要があります。
空撮なので高くまで飛んで撮影を行いたい所ですが、実は比較的建屋高が低い店舗さんの場合は、店舗よりちょっと上くらいの高さから撮影した方がカッコいいアングルになります。下記の写真を見てください。
どうですか?低い高さの方がカッコよくないですか?良い悪いは見た人の主観にもよります。高度が高い写真だと普段は見慣れない風景なので「おーっ」という感動は有る事も事実です。おおよそ下記のような理由で店舗の撮影は低い高度からの撮影をおすすめしています。ソラカメラでは時間拘束単位での料金体系となるので、もちろん色々な高さからたくさん写真を撮って納品しますが、WEBやパンフレットに利用されるのであれば低めの高度で撮影した写真をメインで活用をおすすめします。
店舗周辺は歩行者、自動車などの往来が多い場所となります。ドローンオペレーターにとっては悲しい事ですが、ドローンの事を良く思っていない一般の方も多数いらっしゃいます。合法的に近隣と調整を行いドローンを飛行していても、「誰の許可を得ているのだ!」「警察に通報するぞ!」とお叱りを受けたり、こっそり遠くから110番通報されるケースもあります。
110番が入ると警察官が撮影現場に来て、事情聴取などで撮影が中断。撮影予定が大幅に狂うケースもあります。
ソラカメラでは人通りの多い場所では「申請許可を行っている」という立て看板を立てて撮影を行い、110番通報対策を行っています。また、事前に警察署へ撮影日時やオペレーターの連絡先などの状況報告を行っておけば、万が一通報が入っても警察署のみなさんも混乱せず、こちらも撮影予定が大幅に狂う事もありません。
テレビ局・一部上場企業・学校・官公庁・各種団体etc さまざまな撮影実務経験があります。