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テレビ番組撮影

テレビ番組ドローン撮影の知っておきたい6つのポイント
スケジュール通りには行きづらいテレビ番組撮影。テレビ局や制作会社さんの撮影の段取り自体がギリギリになり、ドローン撮影準備がきっちり行えない場合も多い撮影となります。

局内でのドローン撮影申請書が必要か事前に確認を!

ソラカメラでは民放キー局に関してはほとんどすべて撮影担当をさせて頂いたり、空撮ご相談を頂いています。特に2017年頃より、多くのテレビ局がロケでのドローン飛行を行う場合に局内での申請書が必要になっていると関係者よりお話を聞いています。局によってはドローン撮影業者の選定時も「十分な実績があり安全に飛行できる撮影業者を選定する」という社内指導があるようです。

ロケ地が遠方である場合はロケ地に近いドローン撮影業者を新しく探して手配される場合も多いかと思います。業者を選ぶ前にまずは社内でどういう申請が必要か?業者に提出を指示する資料は何か?などを事前に調べたうえで業者選びを行って頂ければスムーズです。

おおよそ下記のような書類が局内申請には必要です。テレビ局により種類はバラバラですので、局内の部署に確認ください。制作会社さんは局に必要書類を事前に確認ください。

局内独自の申請書 局により書式が異なります。申請が必要なテレビ局は必ずルールがあるかと思いますのでご確認ください。
航空局許可証・承認証(写し) 人口集中地区・第3者(人・物件)より30m以上離して飛行できない場所・夜間飛行などは、ドローンを飛行するにあたって航空局(国土交通省)の許可・承認が必要になってきます。該当するロケ現場では必須となります。
機体保険証(写し) ドローン機体には通常対物保険・対人保険がかけられています。万が一の場合を想定し保険証の写しを提出が必要な場合があります。
業者の飛行実績報告書 予算以上に、安全で合法的に飛行できる業者選定がベストです。航空局許可証・承認証を持参しているドローンオペレーターは航空局に詳細の飛行実績提出を義務付けられています。その書類の提示を求めることは可能です。
ロケ地の飛行プラン 局によってはロケ地でどういうルートでドローンを飛行させるかなど詳細の局内申請が必要な場合もあります。
航空局(国土交通省)許可は必須でしょう。飛行実績もリストが存在します。
人口集中地区・第3者(人・物件)より30m以上離して飛行できない場所・夜間飛行などは、ドローンを飛行するにあたって航空局(国土交通省)の許可・承認が必須です(無ければ違法)。多くの空撮ご依頼が「人口集中地区」「30mルール」に該当します。東京・大阪・名古屋・福岡など都市圏のロケではなおさらです。航空局の許可承認を受けている撮影業者は多かれ少なかれ「本気で撮影を行っている」業者です。そういった意味では信頼度の目安にもなります。許可・認証を受けている空撮業者は航空局へ3か月に1回の飛行実績を提出する義務があります。依頼前に「航空局へ届けている実績リストを見せてください」と言えば、詳細な飛行実績を事前に確認する事も可能です。公的な飛行実績報告書なので信頼度も高い実績と言えます。

拘束時間をざっくりと調整のうえで業者へ相談

多くのドローン撮影会社は「1フライト●●●円」「2時間現地拘束●●●円」という短時間撮影での料金体系となります。

テレビ番組のロケ以外の空撮は比較的短時間での撮影が多く、丸1日拘束というケースはあまりありません。逆にテレビ番組ロケの場合の多くが、空撮を行うタイミングも場所も臨機応変となり拘束時間も長くなります。

半日拘束か?1日拘束か?程度のざっくりとした拘束時間をあらかじめ想定頂ければ、空撮業者も御見積やその他の調整がしやすくなります

また1本のバッテリーでの飛行時間は限りがありますので、長時間撮影を行いたい場合は事前におおよその飛行時間の調整が望ましいです。特にドローンが上空で待機し撮影待ちの時間がある撮影も注意が必要です。

ロケ地に電源コンセントがあるとベスト
番組自体がドローン撮影に慣れている場合を除いては、ドローン撮影に関しては長く撮影を行う場合が多くなります。またロケの進行により上空で待機する場合もよくあります。通常1本のバッテリーで実質20分程度のサイクルで飛行を行います。多くのロケでPhantom4Proの場合で6-8本程度バッテリーを使うことが多いです。バッテリー自体は1本2万円前後。機種が変われば基本バッテリー種類が変わり買い換えが必要なことから、それほど大量にバッテリーを所持している空撮業者も少ないと思います。(ソラカメラでは仲間から借りてMAX10本くらいでしょうか・・・)家庭用コンセントで充電は可能です。充電には時間もかかりますので理想的にはロケ地毎に家庭用コンセントがお借りできれば、充電しながらドローン空撮を行えます。

自治体施設(公園など)での撮影時は申請や調整に時間がかかります

テレビ番組撮影の場合、ギリギリのタイミングでドローン撮影が決まり、慌てて調整を頂く場合が多いかと思います。ドローンオペレーターは予定に空きが有ればすぐにても対応可能ですが、ロケ地が自治体の施設(主に公園など)はあらかじめ利用申請を行う必要があるため、おおよそ10日程度前に申し出を行う必要がある場合が多いです。

公園内でのドローン撮影については自治体によって反応は様々です。東京都・大阪市・神戸市の都市公園ではドローンの飛行自体が禁止されています(テレビ局での地域PR色が強い場合は特例で許可がもらえる場合があります)。その他の自治体でも禁止の場合があったり、公園利用者の安全が優先となりますので、「自由にドローンどうぞ!」となるケースは少なくなります。あらかじめ自治体との調整が無ければドローン飛行実施は簡単に行えるものではありません。

個人(田畑や山林など)・法人・店舗などの私有地上空を飛行するのであれば、土地所有者の了承をもらうだけですので比較的飛行調整がしやすくなります。

民間の土地所有者の上空権利について
「他人の土地上空を無許可でドローン飛行してはダメ!」という法律自体は存在しませんが、民法207条において≪土地の所有権は法令の制限内においてその土地の上下に及ぶ≫と明記されています。実は民法においては高度が明記されていないためグレーな解釈となります。別に航空法と呼ばれる法律では、飛行機等が安全に飛行できる最低高度を「最も高い障害物(建物等)の上端から300mの高度」と記載されています。民法・航空法より多くの法律専門家は≪ドローンが飛行する高度150m以内は土地所有者の許可が必要≫と解釈しています。実際は無許可での第3者の私有地上空をドローンが飛行する事による裁判の判例が過去無いため、すっきりとした判断が難しく、解釈の仕方によっては「許可無く第3者の所有地上空」を飛行するドローンオペレーターも居ます。
海上・河川上はドローンOKでは無いが、NGという法律も無い
海上や河川上空で合っても、航空局から許可のある撮影会社は「規制の有無を確認」する義務があります。港湾事務局・土木管理事務局に確認する場合「海上のドローン飛行の許可をください!」と言いたい所ですが、NGではないけれどもOKというルールも有りません。OKというルールも無いため役所も飛行の許可を出すことはできません(一部のケースを除く)。交渉のポイントとしては、規制の有無を念のため確認し、撮影日時やルートを報告するような調整を行って頂くと、スムーズに海上・河川上の撮影は実現可能です。他の利用者の危険を脅かす行為は禁止されていますので、安全に配慮した飛行プランの報告が必要です。海上であっても航空法により第3者の頭上でのドローン飛行は禁止されています。航行中の船舶の頭上などをドローン飛行すると、航空法違反の対象になりますので注意が必要です。

「テレビ番組空撮」最大の敵は「風」

特に時間調整が難しいテレビ番組の撮影の場合、最大の敵は「風」です。特に航空局から許可承認を受けているドローンオペレーターは風速5m/s以上の風が吹く場合、ドローンを飛行しないよう大半がルール決定されています。ドローンの機種性能自体はおおよそ10m/s程度も対応できますが、法律的にはより厳しい安全制限があります。

5m/s程度の風。どれくらいかイメージしにくいですが、突発的であれば割と吹きます。強風が吹き続けることは稀なので、インサート撮影などであれば多少時間調整すれば撮影可能です。

演者さんが絡むような撮影シーンや、風待ちが難しいロケの場合は、ドローン撮影を諦めなくてはいけないシーンもある事は想定したうえで、撮影予定を立てて頂く必要があります。

突発的な強風はドローンの天敵です
ドローンは様々なセンサーで安定飛行を行います。通常の風程度であればGPSや加速度センサーにより、ドローン本体が機体の位置や傾き角度を把握しながら自動調整で安定飛行します。強風(突風型)が吹き操縦舵の方向のタイミングが悪ければ、ドローンが許容範囲以上に大きく傾き、ある一定の傾き以上になるとプロペラが停止したりコントロールを失い墜落するリスクが非常に高くなります。また万が一GPSが届かない状態で強風が吹いた場合、ドローン着陸には高度な操縦技術が必要となり、着陸回収自体も困難になります。強風時はドローン飛行は非常に危険です。信頼のおけるドローンオペレーターの判断の元、ロケ時のドローン空撮を実施する必要があります。

ドローン機種(画質)に指定が無いか事前に技術スタッフさんに確認を

空撮で主に使われる機種として下記の3種があります。いずれもDJI社製の機種です。通常のロケ番組ではPhantomが一番よく利用されているでしょう。1オペレーションで扱いやすく、適度に軽量で、画質も高い。いわばバランス型のタイプです。長時間の徒歩移動(登山)や、空撮専門スタッフ以外のディレクター・ADさんなどが兼務で撮影する場合は軽量なMavicProがよく利用されます。Inspireやそれ以上の大型機種はドラマ・CM・映画・ハイビジョン番組で使われる機種です。Inspireや大型機種はカメラ取り付けタイプで、用途に併せてカメラを付け替えることが可能です。機種の特性をあらかじめ確認のうえ撮影業者に相談ください。

またInspire以上の撮影を行う場合、撮影費用もその分上がる事も多い(撮影人数が2オペの場合や機材が高額)ので、御見積段階より特別な撮影仕様があれば撮影会社との調整が必要です。

  MavicPro Phantom4Pro Inspire2
 
特長 小型軽量で折り畳みができる事から機動性が高い。画質は他機種に比べ劣る。長距離徒歩移動ロケや制作スタッフ兼務向けの小型機種。 軽量・高画質のバランス型。通常番組撮影ではまずこれで十分。4Proよりカメラグレードがアップしています。 カメラ付け変え可能。より高画質で複雑なカメラワーク対応可能。ドローン本体・カメラの2オペワーク可能。
対角寸法 335mm 350mm 605mm
重量 743g 1,388 g 3,440g
動画サイズ 【純正付属カメラ】
DCI4K:4096×2160
UHD4K:3840×2160
2.7K:2720x1530
FHD:1920×1080
HD:1280×720
【純正付属カメラ】
C4K:4096×2160
4K:3840×2160
2.7K:2720×1530
FHD:1920×1080
HD:1280×720
【ZenmuseX4カメラの場合】
C4K:4096×2160
4K:3840×2160
2.7K:2720×1530
FHD:1920×1080
フレームレート 24/25/30/48/50/60/120P
※動画サイズにより異なる
24/25/30/48/50/60/120p
※動画サイズにより異なる
【ZenmuseX4カメラの場合】
23.976/24/25/29.97/47.95/
50/59.94/119.88p
※動画サイズにより異なる
センサー 1/2.3インチ CMOS
有効画素数:1,235万画素  
1インチ CMOS
有効画素数: 2,000万画素
【ZenmuseX4カメラの場合】
1インチ CMOS
有効画素数: 2,000万画素
最大飛行時 ※1
(バッテリー1本)
約27分 約30分 約27分
操作人数 1名 1名 1名 or 2名
参考機材価格 ¥150,000前後
※最低限の関連備品など含む
¥250,000前後
※最低限の関連備品など含む
¥700,000前後
※カメラZenmuse X5Sの場合
メーカーURL https://www.dji.com/jp

※1 通常ドローンオペレーターはバッテリー残量が20-30%を切ると安全面に配慮し着陸します。風などの諸条件でバッテリー消費も激しくなります。実際の飛行時間は表記より短く実質7割程度の時間となります。

大型ドローン機種がすべてカメラ性能が良い訳ではありません
「画質が良いと聞いたのでInspireで撮影してください!」というご相談をたまに頂きます。Inspireは取り付けるカメラにより画質が異なります。いわばカメラもピンキリ。一番安価な機材のパターンの本体Inspire1/カメラZenmuse X3のセットではPhantom4Proより映像の品質は落ちます。上記比較表のとおりカメラ性能だけではInspire2でのフライトの場合はZenmuseX5以上のカメラを搭載しなければ映像高画質メリットは得られません。

草刈り機程度の音がしますので地上撮影との同時収録は注意!

通常よく使われるドローンに関しては広角レンズが採用され、遠くの被写体を撮影するのに適しています。演者さんを撮影する場合など、極力演者さんに寄りたい所ですが、ドローン飛行中は草刈り機程度の羽音がしますので、地上集音の邪魔になります。

ドローン撮影のみで別に撮影予定を立てて頂くか、地上撮影の流れで同時撮影する場合は30m程度離れた場所からのヒキの映像をドローンでおさえて頂く事が都合がよいです。

ドローンは音声録音対応不可です
ドローン本体にはマイクが搭載されていません。一部、ドローンを操作するアプリ上(操作タブレット)では集音可能ですが、納品データとなる撮影データ自体は本体に内蔵させたマイクロSDカードに録画され、音声を付属する事が出来ません。編集時は無音により編集作業を行って頂く必要があります。

西日本屈指の撮影実績(デモ飛行では無くご依頼実績)をまずはご確認ください!

テレビ局・一部上場企業・学校・官公庁・各種団体etc さまざまな撮影実務経験があります。